書籍情報|アテンション
「アテンション」のあらすじ(楽天ブックス)
「アテンション」のキーワード
宮本茂
フォン・レストルフ効果
プライミング効果
思考の惰性
期待違反理論
認知負荷
二一世紀のことば
代理の目標達成
ゼイガルニク効果
顔のある犠牲者効果
感想/書評|注目を育てる7つのトリガー
注目を集めるための手法を整理した書籍。
全体を通じて、チャルディーニの「影響力の武器」に近いものを感じた。本文中でもチャルディーニへの言及がある。
即時の注目を集め、それを短期の注目に成長させ、最終的には長期にわたる注目を集めるための7つのトリガーを提示している。
- 自動トリガー
- フレーミングトリガー
- 破壊トリガー
- 報酬トリガー
- 評判トリガー
- ミステリー・トリガー
- 承認トリガー
各トリガーに具体例が多く用意されている。
日本の事例もいくつか紹介されていて、それも面白い。奈良で街灯の明かりを青色にしたら自殺者が減った事例など。
関連する書籍の紹介もあり、どれも興味深く感じた。翻訳されているものも多いようなので、また読んでみようと思う。オリビア・フォックスの「カリスマは誰でもなれる」とか。
個人的には、本文中で紹介された、注目に関する種々の理論(仮説)にも興味を惹かれた。
カクテルパーティー効果は有名だが、その他にも、様々な理論(仮説)が紹介されている。
読みながらメモしたものを軽く記載しておく。それをもって書評を終えようと思う。
フォン・レストルフ効果
まず、フォン・レストルフ効果。
フォン・レストルフ効果(Von Restorff Effect – Hedwig von Restorff 1933)とは、似た要素が多く並んでいる中にひとつだけ異なる要素があると、その要素が一番記憶に残りやすい心理現象のことです。孤立効果とも言われます。
UIデザインのための心理学:33の法則・原則(実例つき)/
・・・孤立効果の方が覚えやすそう。
プライミング効果
次に、プライミング効果。
プライミング効果とは、先行刺激(プライマー)が、その後続刺激(ターゲット)の処理に対して影響を与える現象を指す。ネガティブプライミング効果とも呼ばれることがある。
事前に与えられた情報によって無意識のうちに判断が左右されるプライミング効果は、よくメディアや広告に利用され、人々の購買行動に影響を与えるマーケティング手法のひとつとして知られている。
具体的な事例として有名なのは、米コカ・コーラの1931年に始まったクリスマス広告で、家族や恋人、友人、愛情、楽しさといったイメージをもつクリスマスとその象徴であるサンタクロースの赤を、コカ・コーラのブランドカラーを結びつけた広告手法は、プライミング効果を活用したマーケティングの好事例として取り上げられる。
MBA用語集
本文中ではmacのロゴとIBMのロゴの話や、ディズニーのロゴの話があったように記憶している。
代理の目標達成
3つ目は、代理の目標達成。
本文中では、マクドナルドのヘルシーメニューに関する事例と関連して紹介されていたように記憶している。
ヘルシーな料理が載っているメニューを見るだけで、ヘルシーな料理を食べた気になってしまうものらしい。そのせいで、ヘルシーな料理が載っているメニューを見た客は、別のメニューを見た客と比べ、より多くのカロリーを摂取してしまうらしい。
顔のある犠牲者効果
4つ目は、顔のある犠牲者効果。
統計的データを示されるよりも、1人の顔の分かる人物の困窮を示される方が、心を動かされるというような話。
ゼイガルニク効果
5つ目は、ゼイガルニク効果。
ツァイガルニク効果とも言うみたい。
「ツァイガルニク効果」とは、終えてしまった事柄よりも、途中で挫折してしまったり中断してしまったりした事柄のほうがよく記憶に残る心理現象のこと。
【心理学】ツァイガルニク効果とは?【ビジネスでの使い方】
本文中では、未提供の料理は強く覚えているのに、提供済みの料理は忘れてしまうウェイターの例が挙げられていた。