【感想・評価】反脆弱性[上]――不確実な世界を生き延びる唯一の考え方

書籍情報|反脆弱性[上]――不確実な世界を生き延びる唯一の考え方

著者 ナシーム・ニコラス・タレブ
翻訳 千葉敏生
発行所 ダイヤモンド社
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「反脆弱性[上]――不確実な世界を生き延びる唯一の考え方」のキーワード

反脆弱性

ブラック・スワン

バーベル戦略

領域依存

オプションの非対称性

「反脆弱性[上]――不確実な世界を生き延びる唯一の考え方」の著者「ナシーム・ニコラス・タレブ」とは?

「反脆弱性[上]――不確実な世界を生き延びる唯一の考え方」の著者「ナシーム・ニコラス・タレブ」は、Wikipediaによれば、次のような人物とされています。

※ この記載は、Wikipediaから自動取得しています。正確性については、別途ご確認ください。

感想/書評|すべてをコントロールすることは可能か?

現代人の多くは「予測」が好きだ。

すべての物事は線形的に予測できるものだと信じ、将来をコントロールし、トラブルを避けようとする。

本書は、そのような現代人の特性を指摘し、その特性から生じる問題点を鋭く指摘しているように思う。

現実の世界は基本的に単純なものではない。

しかし、現代人は、単純でない現実の世界を勝手にモデル化し、単純なものとして取り扱おうとする。モデル化により、表面上の秩序を生み出そうとする。そして、日常生活に影響を与える小さなストレスを可能な限り排除しようとする。

現実世界とモデル化された仮想世界との乖離は、気がつかないうちに大きくなり、予測できないタイミングで人間に襲いかかる。

本書では、それがリーマンショックであり、原発事故であり、アラブの春であるとされているように読めた。

個人的には、本書を読んで、ラプラスの悪魔のことを考えた。

憶測に過ぎないが、現代を生きる多くの人は、心のどこかでラプラスの悪魔を信じているのではないだろうか。

本書は、ラプラスの悪魔のような考え方に基づく行動、因果的決定論に基づく行動を批判し、「すべてをコントロールすることはできないこと」を前提にしつつ、よりよく生きていくための方法論を提示していると思う。

感想/書評情報

記録者:DK

記録日:2023年7月22日

読了日:2023年3月

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