【感想・評価】現代思想入門

書籍情報|現代思想入門

著者 千葉雅也
発行所 講談社
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「現代思想入門」のキーワード

二項対立

脱構築

パロールとエクリチュール

仮固定

現代思想の作り方

否定神学的

「現代思想入門」の著者「千葉雅也」とは?

「現代思想入門」の著者「千葉雅也」は、Wikipediaによれば、次のような人物とされています。

※ この記載は、Wikipediaから自動取得しています。正確性については、別途ご確認ください。

感想/書評|パターンを否定することは可能か

寝ながら学べる構造主義を読み終えて、「じゃあ現在は、どういう思想家がいるんだろう?」と思い、読み始めた。

本書は、現代思想に至る思想の流れも説明してくれるので、非常に勉強になった。

たとえば、構造主義とポスト構造主義の違いは、次のように記載されている。

構造主義には、人類文明全体に及ぶパターンを発見するぞ、というモチベーションがあり、ある種の普遍学を目指していました。
しかし、それに対して、パターンの変化や、パターンから外れるもの、逸脱を問題にし、ダイナミックに変化していく世界を論じようとしたのがポスト構造主義だと言えるでしょう。

この整理が正しいとは限らないと思うが、一つの合理的な見方ではあるように思う。

個人的には、近代からの経緯は次のように整理できるのではないかと感じた。

  • 【近代】1つの大きな物語が世界を形作っているという世界観
  • 【構造主義】1つの大きな物語の否定 → 複数の普遍的なパターンの探究
  • 【ポスト構造主義】普遍的パターンの否定 → 差異の哲学へ

本書にも、次のような記載がある。

ポスト構造主義=現代思想とは「差異の哲学」であると、ひとことで言ってよいと思います。

ただ、パターンを否定することは理論的には難しそう

結局、パターンが存在することを完全に否定することはできない。

しかし、次のように主張することはできる。

「あるパターンの存在は偶然性に立脚する一時的なものに過ぎない。そのパターンは、パターン化していることをもって正しいとは評価できない。今後パターンが継続するとは限らないし、それを継続させることが正しいともいえない。」

本書を読み、ポスト構造主義のイメージはこんな感じかなと感じた。

しかし、まだ詳細は全然十分に理解できていない。

本書は、「次に読んだら良い本」をいくつも紹介してくれている。

時間はかかると思うが、本書で紹介されている本を手掛かりに、デリダドゥルーズフーコーなどの思想をもう少し学んでいきたいと思う。

なお、偶然性にはマイナスのイメージもある。

しかし、人生及び世界において必然性がなく、現在が偶然性の産物であることを十分に受け止めることができれば、むしろ一瞬一瞬を大切に生きていくことができるのではないだろうか。

本書には、そんなメッセージも込められているように感じた。

感想/書評情報

記録者:DK

記録日:2024年5月6日

読了日:2024年4月

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