書籍情報|三体
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感想/書評|異星人との情報戦
地球以外の惑星にも知的生命体が存在し、その知的生命体と接触することになったとき、何が起きるのか。
久しぶりにSFを読みました。読み応えがあり、SFの良さを再認識しました。他のSFも読んでいきたい。
本書のテーマである異星人との接触は、比較的良くあるSFのテーマかもしれません。
ただ、本書では、地球到来時よりも数百年前に、まだ遠く離れている状況で、地球人と異星人とが互いの存在を知ることになります。
この状況からスタートする情報戦等に焦点を当てている点は、本書の大きな特徴だろうと思います。
この情報戦等に関する部分は、面壁計画(ウォールフェイサー・プロジェクト)や階梯計画、黒暗森林理論などの独創的な構想により、引き込まれる展開となっています。
三部作の小説ですが、全体を通じて量子力学や天体物理学等の物理学に関する言及が多く、宇宙に興味がある方や、物理学に興味がある方は細部の記載も楽しみながら読み進められるかもしれません。
感想/書評(2)|宇宙人がいるとして、なぜ接触できない?
宇宙人は存在するのか?
そんな事を考えたことはないだろうか?
私はある
なんなら確率的には存在しているに違いないと確信している
ではなぜ宇宙人は見つかっていないか
「ただ人類が見つけれていないだけ」「宇宙人の文明レベルが低いだけ」
そう思っていた
もしかしたらそうではないかもしれない
もっと合理的で知性的でゾッとするような答えが本当はあるのかもしれない
少なくとも1つの合理的な理論をこの本は伝えてくれた
もちろん読み物としてもめちゃくちゃ面白いのだが
それ以上に、この理論を知れた事が大きな収穫で視野が広がったと感じている
感想/書評(3)|未知の文明との邂逅
テーマは「未知の文明との邂逅」か。
約4光年離れたアルファケンタウリの文明と接触する話。
三体問題として扱われる、3つの太陽を持つこの文明は、三体文明と呼ばれる。
主人公の葉ぶんけつ(舞台が中国なので、登場人物の名前が軒並み難しい漢字)が、三体文明からの信号に対し返信を送ったことで、地球の場所がバレた結果、三体文明からの宇宙船が襲来し地球が滅ぼされる危機に…。
宇宙船の到着までは約400年。地球人の力を結集して、三体文明を迎え撃つ!みたいな流れ。
基本的には、天文学に造詣の深い人物らと政治的なパワーを持つ人物らで、レベルの高い議論は進んでいくが、脳筋野郎も登場するのでひと安心。
日常、生活していて、400年というスケールで物事を考えることはなく、おそらく今後もないが、タメになる観点がいくつかあった。
なお、本書は3部作の第1部となっており、第2部、第3部と進むにつれて、時間空間両面で、天文学的にスケールは大きくなっていくため、心の準備をしておいた方が良い。