映画情報|ウィンストン・チャーチル /ヒトラーから世界を救った男
監督 | ジョー・ライト |
上映日 | 2018年03月30日 |
上映時間 | 125分 |
制作国 | イギリス |
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徹底抗戦
ウィンストン・チャーチル
感想/評価|徹底抗戦への違和感
イギリスの史実を題材としたイギリス映画。
自国の国民に受けそうな映画という印象。
自分がイギリス国民だったら、「名作だ」以外の感想は抱かなかったかもしれない。
ただ、実際にはイギリス国民ではないので、違和感を感じた。
違和感の根源は、本作品全体を通じた「徹底抗戦の選択」への評価の高さだと思う。
日本国民としては、徹底抗戦の選択それ自体を手離しで賞賛することは正直難しい。
徹底抗戦を選択した動機や理由が十分に示されなければ、その評価を決めることはできないのではないか。
イギリス国民ではなく、背景知識が乏しいからかもしれないが、本作品を見ただけでは、徹底抗戦という選択を高く評価するに足りる動機や理由が十分に理解できなかった。
もちろん、ナチスによる非道が広く知られている現在から振り返れば、徹底抗戦という選択が高く評価されることになるのも頷ける。
しかし、チャーチルが徹底抗戦を選択した時点で、彼がその事実をどこまで知っていたのか。本作品だけでは、そういった内容が充分に示されていないように感じ、結果として、最後まで違和感を払拭できなかった。
なお、徹底抗戦選択の理由や動機という点に関連して個人的に印象に残ったのは、映画後半で、チャーチルが地下鉄に乗る場面。
チャーチルは、地下鉄で同じ電車に乗り合わせた複数の国民と話し合う。そして、国民の主張を踏まえて結論を出す。
いや、そんなことある?
俄かには信じられないが、徹底抗戦を選択した理由が主権の存する国民にあることを示したいということなのかな。
ただ、当然ながら、地下鉄で偶然あった数人の国民が徹底抗戦を望んだから徹底抗戦したという理由だけで徹底抗戦の選択を高く評価することはできない。
やはり、もう少し、徹底抗戦讃美への共感を抱かせるだけの材料を提供して欲しかった。