書籍情報|京都ぎらい
「京都ぎらい」のあらすじ(楽天ブックス)
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感想/書評|京都、嫌いになるわ
京都府京都市右京区嵯峨(洛外)出身の筆者が書く、京都市中心部(洛中)の人々の中華意識をこき下ろす分析する作品。
私自身、もともと京都にそんなにいいイメージがなかったため、その意識が若干強まる結果となった。
序盤は、洛中の人々は洛外を、どこか見下しているエピソードがバンバン出てくる。
洛外は、行政区分上「京都市」であるが、洛中の人々のそういった意識があるため、京都市出身と言いづらいと思う。事実、本書の筆者紹介でも、「1955年、京都府生まれ。」となっている。
一方、「洛中のやつ、感じ悪いな」で終わるかと思いきや、「お坊さんと舞子さん」や「南北朝と嵯峨天龍寺」といった話題を取り扱っており興味深かった。
「お坊さんと舞子さん」の章で、「お坊さんが祇園とかで舞子遊びをしているのをみて、煩悩ばっかりやんけ!」という見方に対して、「釈迦はハーレム状態に嫌気がさして、悟りを求め、修行を始めた経緯があるから、そのお坊さんもその過程にいる」的な解釈を提示していたのは、めちゃくちゃ面白かった。
最後に、関西では、「アマ(兵庫県尼崎市)は大阪みたいなもん」という見方があるが、これは本書で扱われているような「中華意識」に分類されるものなのだろうか?
構造を似せようすると、「兵庫県の他の地域(神戸市、西宮市)などが、同じ兵庫県として扱われたくないという排他的な意識」と見ることができるが、あんまりそういう意識があるように感じたことはない。(逆に、大阪側が尼崎市を引き入れたいという願望もない気がする。)